ServiceNow Brazil リリースまとめ:リリース日と主な変更点
ServiceNow の次期ファミリーリリース「Brazil」について、アーリーアベイラビリティと一般提供の時期、ServiceNow Otto や Lux などの主な変更点、アップグレード前に確認したいことを公式情報をもとに整理します。
この記事でわかること
- Brazil は 2026年9月24日にアーリーアベイラビリティ(EA)が始まり、一般提供(GA)は2026年11月の予定
- AI関連では、Now Assist、Moveworks、AI Experience をまたぐユーザー向け体験が「ServiceNow Otto」ブランドを中心に再編されている
- UI では新しいAIネイティブなフレームワーク「Lux」が登場し、2026年Q4から段階的に展開される
- 開発者向けには Build Agent、Autonomous Engineer、ServiceNow Studio などの強化がある
- アップグレード前に、変更点・非推奨・廃止予定・利用可能なパッチを公式リリースノートで確認したい
目次
ServiceNow の次期ファミリーリリース「Brazil」のアーリーアベイラビリティ(EA)が始まりました。
今回の Brazil は、従来のような機能追加だけでなく、ServiceNow Otto、Lux、Build Agent などを軸に、ServiceNow が進めている「AIネイティブなプラットフォーム」への移行がより明確になったリリースといえます。
この記事では、リリース日と主な変更点を、ServiceNow の公式ドキュメントと公式コミュニティの情報をもとに整理します。
リリース日
| 項目 | 時期 |
|---|---|
| アーリーアベイラビリティ(EA) | 2026年9月24日 |
| 一般提供(GA) | 2026年11月予定 |
EA に先立ち、9月14日から18日にかけて、開発者向けの事前セッション「Developer Passport」が開催されました。
Brazil は、9月24日から PDI(Personal Developer Instance)でも利用できます。チケットなしで Brazil 版の PDI を作成できるため、業務用インスタンスをアップグレードする前に、新機能や既存カスタマイズへの影響を確認できます。
まずは PDI やサブプロダクション環境で試しておくのがおすすめです。
Brazil で注目したい主な変更点
ServiceNow Otto を中心とした AI 体験への統合
Brazil で特に目立つ変化の一つが、ServiceNow のユーザー向け AI 体験とブランドが ServiceNow Otto を中心に再編されていることです。
Otto は 2026年5月の Knowledge 2026 で発表されました。ServiceNow の公式発表では、これまで別々に提供されてきた次の AI 関連機能や体験を横断する、統合されたユーザー体験として位置づけられています。
- Now Assist:ワークフローに組み込まれた生成 AI スキル
- AI Experience(AIx):AI Web Agents、AI Voice Agents、Data Explorer、AI Lens など
- Moveworks:従業員向けの会話型 AI
ここで注意したいのは、これらが技術的にすべて一つのシステムへ統合された、という意味ではないことです。
ServiceNow の解説では、内部では複数の AI 基盤が動作しつつ、ユーザーからは 「Otto」という一つの AI 体験として見える形へ整理されていく、と説明されています。
また、製品やドキュメントでは、Now Assist を含む従来の AI 関連名称から Otto へのリブランドが段階的に進んでいます。
既存環境への影響が気になるところですが、公式コミュニティの解説では、AI Agent Studio で作成済みの AI エージェントやエージェント型ワークフローは引き続き利用でき、強制的な移行が必要になるわけではないと説明されています。
新しい AI ネイティブ UI フレームワーク「Lux」
Lux は、AI をナビゲーションやユーザー体験の一部として最初から組み込むことを前提に設計された、新しい UI フレームワークです。
ServiceNow の Developer Passport では、Lux について次のように紹介されています。
- LIT、Base UI、Tailwind CSS などのオープンソース技術をベースにしている
- AI Control Tower や EmployeeWorks Web App ですでに採用されている
- GA は 2026年Q4を予定
- 正式なドキュメントも 2026年Q4に公開予定
- 2026年Q4から 2027年初めにかけて、プラットフォーム全体へ段階的に展開される
ただし、Brazil にアップグレードした時点で既存画面が一斉に Lux へ置き換わるわけではありません。
既存の Workspace や Angular ベースの Service Portal を非推奨にする予定は、現時点ではないと説明されています。
一方で、Service Portal 上の Requester 向け体験については、Lux への移行が検討されています。時期については、早くても 2027年初めとされています。
また、VS Code 拡張機能「ServiceNow Lux Lab for VS Code」もすでに提供されていますが、GA 前のため、本番環境へ適用する用途には推奨されていません。
開発者向けの強化
Build Agent と Autonomous Engineer
ServiceNow Otto for Creator では、Build Agent を基盤とする Autonomous Engineer も案内されています。
両者は似ていますが、使い方が異なります。
- Build Agent:画面の前で AI と対話しながら、途中で指示や方向性を修正して開発したいとき
- Autonomous Engineer:作業範囲を明確に文章で指示し、ある程度まとまった開発作業を任せたいとき
Autonomous Engineer は Build Agent と同じスキルやルールを利用するため、既存の設定を活用できます。
ただし、Brazil にアップグレードすれば自動的に使える機能ではありません。
利用には Brazil EA に加えて、AI Workflow Factory のライセンスなど、別途提供条件があります。また、EA 時点では feature flag による有効化が必要と案内されています。
Brazil Patch 0 以降のインスタンスでは、Build Agent の新しいバージョンが ServiceNow Store で公開されると、自動的に配信される仕組みも導入されます。
ServiceNow Studio
ServiceNow Studio も Brazil で強化されています。
プラットフォーム上のレコードに 「Open in Studio」 が追加され、右クリックメニューなどから Studio を直接開けるようになります。
これまでのように、対象レコードを一覧から探して Studio へ移動する手間を減らせるため、開発時の操作性が改善されています。
Brazil の Studio 自体にも Lux が利用されており、新しい UI フレームワークが実際の開発者向け体験へ使われ始めている例の一つです。
Collaborative Work Management(CWM)
Collaborative Work Management(CWM)では、Otto を利用したタスク作成機能が追加されています。
-
タスク生成
自然言語の指示やアップロードしたドキュメントから作業項目を抽出し、CWM のタスクとして生成する
※ CWM Advanced または CWM Professional Plus が必要 -
子タスク生成
既存の CWM タスクを、担当者を割り当てられる小さな子タスクへ分割する
※ CWM Advanced または CWM Professional Plus が必要
Brazil の CWM ではこのほかにも、Hybrid Project Management、Lists、Dashboards などの強化があります。
この記事では、Brazil 全体の主要変更点に焦点を当てるため、CWM の詳細については割愛します。
誰が何を確認するべきか
Brazil は対象機能が広いため、役割ごとに見るポイントを分けると把握しやすくなります。
| 対象 | 主に確認したいポイント |
|---|---|
| 管理者 | Changes / Deprecated features / Upgrade notes / Patches |
| 開発者 | ServiceNow Studio / Build Agent / SDK / Fluent |
| AI 機能担当 | ServiceNow Otto / AI Agent Studio / Autonomous Engineer |
| UI 開発者 | Lux |
| CWM 利用者 | Otto Task Generation / Hybrid Project Management |
すべての新機能を一度に追うよりも、自社で利用している製品や担当領域に絞って確認する方が効率的です。
アップグレード前に確認したいこと
Brazil へのアップグレードを計画するときは、次の順番で確認すると整理しやすいです。
- 現在のバージョンから Brazil へのアップグレード経路を「Upgrade to the Brazil release」で確認する
- **「Changes to Brazil features and products」**で、既存機能の動作変更を洗い出す
- 非推奨・廃止予定の機能やプラグインを確認し、利用している場合は代替手段を検討する
- PDI やサブプロダクション環境で回帰テストを行い、カスタマイズや外部連携への影響を確認する
- 利用可能なパッチを「Available patches and hotfixes」で確認し、適用するバージョンを決める
まとめ
Brazil は、単なる機能追加のリリースというよりも、ServiceNow が進めている AI ネイティブなプラットフォームへの移行がより具体的に見えてきたリリースです。
- Brazil は 2026年9月24日に EA が開始され、GA は 2026年11月予定
- AI 体験とブランドは ServiceNow Otto を中心に再編されている
- AI Agent Studio で作成済みのエージェントやワークフローは引き続き利用できる
- UI では新しい AI ネイティブフレームワーク Lux が登場する
- ただし、Brazil へのアップグレードだけで既存 UI が一斉に Lux へ切り替わるわけではない
- 開発者向けには Build Agent、Autonomous Engineer、Studio などが強化されている
- CWM でも Otto を利用したタスク生成機能が追加されている
- 本番アップグレード前には、PDI やサブプロダクション環境での検証が重要
Brazil はまだ EA 期間中です。
GA に向けて仕様や提供条件が更新される可能性もあるため、正式なアップグレード計画を立てる際は、最新の公式リリースノートを確認してください。
参考情報
- Brazil release notes(ServiceNow Docs)servicenow.com
- New features and products in Brazil(ServiceNow Docs)servicenow.com
- Changes to Brazil features and products(ServiceNow Docs)servicenow.com
- Upgrade to the Brazil release(ServiceNow Docs)servicenow.com
- Available patches and hotfixes(ServiceNow Docs)servicenow.com
- ServiceNow Otto creates the unified AI experience for the enterprise(ServiceNow Newsroom)newsroom.servicenow.com
- Otto vs Now Assist: What Actually Changed(ServiceNow Community)servicenow.com
- Introducing The Developer Passport: Brazil Release Preview(ServiceNow Community)servicenow.com
- Experiences In the Brazil Release | Developer Passport(ServiceNow Community)servicenow.com
- ServiceNow Studio In the Brazil Release | Developer Passport(ServiceNow Community)servicenow.com
- What's New in ServiceNow Otto for Creator: Brazil EA Release(ServiceNow Community)servicenow.com
- CWM Brazil Updates - September 2026 Release(ServiceNow Community)servicenow.com